より効率的な厚さ検査:データロギングと手動入力の比較

アプリケーション概要:

目まぐるしく変化する今日の産業環境において、効率性は極めて重要です。厚さ検査では、測定値を手作業でノートに記録し、その後スプレッドシートへ転記する従来の方法は、時間がかかるうえ、ミスが発生しやすい場合があります。しかし現在では、データロギング機能を内蔵した最新の厚さ計により、検査員はより効率的な方法を利用できます。

本アプリケーションノートでは、超音波厚さ計Dakota CX8-DLを使用し、手動によるデータ記録と内蔵データロギングシステムで厚さ検査を実施する際の所要時間を比較します。管理された条件下で実験を行い、最初の測定から最終的なExcelデータ表の作成までの時間を計測することで、ノートとペンを使用する方法に対して、データロギング機能付き厚さ計が実現できる時間短縮効果を定量化します。

本調査の結果は、最新の検査機器と検査手法の利点を明確に示しており、最終的に厚さ測定の生産性と精度の向上につながります。

実験設計:

この2つのデータ収集方法を適切に比較するには、どちらの方法についても代表的な平均的条件を再現する実験を設計することが重要です。そこで、各方法について単純な検査作業を3回ずつ繰り返し、平均値を算出しました。また、一方の方法が他方より優れている工程を詳しく把握するため、作業を複数の段階に分けました。

どちらの試験も、あらかじめ25mm x 25mmのマス目が記された板から開始します。このマーキングに必要な時間は、どちらのデータ記録方法でも同じためです。

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ステージ1:グリッドの作図とグリッドデータログの作成

グリッドに基づく検査では、転記ミスを防ぐため、通常はノートにもグリッドを作成することが推奨されます。

現実的な条件と試験時間のバランスを取るため、12x5のグリッド(合計60回の測定)を使用しました。この試験で使用したCX8-DLには、ログ作成時に使用できるグリッド形式が内蔵されています。

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ステージ2:手動入力とデータロギング

手動入力試験では、各マスで測定値が安定するまで待ち、数値を読み取った後、ペンでノートに記録します。

データロギング試験では、信号が安定度バーで4以上に達した時点で「保存」ボタンを1回押すだけで、各マスの測定値を保存できます。

ステージ3:スプレッドシートの作成とデータログのダウンロード

測定値用のスプレッドシートは、各測定値を対応するセルに入力するだけで、書式設定も行わないため、作成にそれほど時間はかからないはずです。

データログをダウンロードするには、CX8-DLをDakMasterがインストールされたコンピューターに接続し、ログのダウンロード手順に従うだけです。

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ステージ4:手動入力とエクスポート

手動入力試験の最終段階では、ノートに記録した測定値をワークシートへ転記します。ある程度の経験があれば、テンキーとTABキー、ENTERキーを使用して比較的短時間で行えます。

データロギング試験では、DakMasterのエクスポート機能を使用して、データログを「.xls」ファイルとして簡単にエクスポートします。「Excel形式でダウンロード」オプションを選択すればさらに短時間で行えますが、今回は標準的な方法を使用します。

結果

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分析と結論

総検査時間

60か所のグリッド測定を実施し、記録して処理するまでの総検査時間には大きな差があります。手動入力では開始から終了まで平均15:14を要したのに対し、データロギングを使用した検査全体では3:39でした。

これは、この条件では厚さ計のデジタルデータロギング機能を使用することで、手動入力と比較して検査時間が4分の3短縮されたことを意味します。

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個別の時間区分

手動入力の各時間区分を見ると、データ収集(ステージ2)が圧倒的に長く、次いでグリッドの作図とデータの手動入力が続きます。グリッドの作図だけでも、データロギング試験におけるデータ収集全体より平均9秒長くかかりました。

両試験のステージ2を比較すると、手動記録に対してデジタル記録では78%の時間短縮が確認されました。1回の測定に要する時間は、手動入力が10.25秒であるのに対し、デジタル記録では2.28秒です。

生産性の推定

試験検査領域の240mm x 130mm(9.45” x 5.12”)は、0.0312m2(0.336 sq. ft.)の面積に相当し、約1m2の30分の1です。そのため、平均検査時間を単純に30倍することで、各方法の「1m2当たりに必要な検査時間」を推定できます。その結果、データロギングでは1時間9分、手動入力では5時間8分となります。

より実用的と考えられる数値は「1時間当たりの検査面積」です。結果は以下のとおりです。
- データロギング:0.857m2/時(9.23 sq. ft./hr)
- 手動入力:0.195m2/時(2.10 sq. ft./hr)

仮に検査員が1日約8時間作業するとした場合、データロギングを使用する検査員は1年後に、外径12”の配管の外周面を全長1.8km(1.12 miles)にわたって測定できます。一方、手動入力を使用する検査員が測定できるのは410m(0.25 miles)にとどまります。

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転記ミス

もう1つ考慮すべき要素は、転記時にミスが発生する可能性です。手動でのデータ入力におけるエラー率については多くの研究が行われており、一般的に、1回のみデータを入力した場合のエラー率は約1~2%とされています。この割合は二重入力によって大幅に低減できますが、その場合、ステージ4に必要な時間はほぼ2倍になります。二重入力を行った場合でも、転記ミスや入力漏れが発生する可能性はわずかに残ります。データロギングでは、これらのミスを完全に排除できます。

この用途で使用したDakota厚さ計:

Dakota CX Corrosion Thickness Gaugeがお客様の検査工程をどのように改善できるか、詳しくご覧ください。